サプリメントデザイナーの仕事って? ②

2019/09/18 ブログ

 

「西洋医学」と「その他の健康産業」の関係性
 

明治以降、日本における健康産業の根幹は西洋医学が担ってきました。 それは今でも変わりません。

医学、薬学、医療機器などこの分野の進歩は今現在もめざましいものがあります。

西洋医学の進歩のおかげで 私自身もこれからどれ程充実した人生(健康面において)を送らせてもらえるか 楽しみにしています。

昔なら死に至る病とされてきた多くの疾病が医学の進歩によって克服されています。 そしてこの進歩はこれからも続くことが期待できます。

一方で(現状の)西洋医学を補完する分野、 例えば栄養学、それから派生した健康食品やサプリメント、 あるいは化学製剤開発に大きなインスピレーションをもたらしてきた薬草の類、 免疫やアンチエイジングに関する様々な民間療法などなど これらもまた新しい情報を組み合わせて進歩しています。

西洋医学とその他の健康産業の関係性をどうすればいいのかというのは、 大きな課題です。

業界同士の利権、あるいは企業の利益追求の「妨げ」になるといった部分での争いは当然あるでしょう。

医者はサプリメントを評して「こんなもん飲んだって」と言います。

あなたは医学、診断治療のプロですが、栄養学や植物学、サプリについてどれだけ精通していますか?

サプリ会社の販売員、民間療法の治療師は西洋医学(化学製剤)の副作用などを非難します。

であれば、手もとにある「家庭の医学」「薬ハンドブック」「人体メルクマニュアル」系の本くらいは どこに何が書いてあるか分かってますよね。

結局のところ、お互い目指しているのはクライアント(患者、顧客)の健康のはず。

山の頂を目指すのにどうしますか?

以前の私は、「山を登るのにいくつもの登山道がある」という考えでした。

今の私は、「山を登るのにいくつもの交通手段がある」と少し視点を大きく持てるようになりました。

歩いて頂上にたどり着ければ、素晴らしい達成感を得られるでしょう。 歩くのがつらければ、ケーブルカーもロープウェーもあるじゃない。 ヘリコプターをチャーター? それもあり。

そしてこれらは組み合わせてもOK。

クライアントの健康サポートも同じ。

互いをdisったり、足引っ張りあったりしてどうするの?

「代替」、「補完」、「統合」。

この後ろに続く単語は「医療」。

時代背景やその立ち位置によって西洋医学に対する周辺健康産業の関係性は変化します。

そしてこれからも変化し続けるでしょうが、
健康食品/サプリメント業界は、 軸をしっかり持ってできることを最大限提供していけばいいのでないでしょうか。
 

あらためてサプリメントデザイナーの仕事

では、前回の記事であなたがおばあちゃんに作ってあげたサプリメントについて。

そのサプリメントが、 良いと言われる素材を「対症療法的に」配合していっただけのサプリメントならば、 そのデザインの本質が、「西洋医学・化学製剤の下位互換でしかない」ということです。

「補完」でも「統合」でもなく、「代替」にもならないとするならば サプリではなくて化学製剤で十分なのです。

無論、あなたのおばあちゃんを大切に思う気持ちは損なわれるわけでもありません。
あなたがその思いからサプリメントをデザインしたのも事実です。

しかし、設計思想のスタートが対症療法である限り、あなたはサプリメントデザイナーではありません。

スタートをおばあちゃんの健康寿命を延ばすというところから始めてみてください。

そうすると、「膝が痛いのを治す」ではなく「しっかりと自分で歩く」という言い換えができます。

同時に何故膝が痛くなるんだろうという風に問いかけてください。

そうすると、すり減った軟骨の問題以外に 筋力の事、血流の事、新陳代謝の衰えの事等に行き当たります。

するとシンプルにアミノ酸の類をベースに設計が始まっていきます。

抗酸化素材を加えて血管を若く保ってあげて 酸素、栄養を行き渡りやすくするというのもいいかもしれません。

ベースができた上で、しっかりとしたエビデンスのある、個別機能に効果を期待できる素材を組み合わせる。

これは簡単な一例なので、正解かどうかはは別にして、

「サプリメントにできること」を意識するとまったく別のものができる

と思います。

あなたの知識とセンスでおばあちゃんに喜んでもらえたら最高ですよね。

おばあちゃんの食生活は? 

睡眠時間は? 

普段は何をやっていますか?

それによってベースの作り方は違ってくると思います。

もしオーダーメイドで作ってあげるなら、そういったことを意識して作るのがデザイナーの仕事です。

現実にはオーダーメードで作る機会はありませんが、

特定の誰かの未来を意識して素材配合デザインをすると 思いがけずサプリの可能性が広がっていく=クライアントの笑顔につながる。


サプリメントデザイナーがやっているのはそんな仕事です。